松賀屋と仁尾
松賀屋は明治から大正、昭和にかけて、製塩業で仁尾の町の発展に大きく貢献した、塩田忠左衛門の屋敷です。ひときわ目をひく母屋は大正5年の建築。約100年もの間、仁尾の町をどっしりと見守っています。
約2770平米。建築当時の大正期には、松賀屋のこの広大な敷地を長い土壁が囲んでいました。訪れる人を番頭がにこやかに迎え、台所と奥に続く「おくどさん」では、女中たちがあわただしく食事の準備。母屋のむこうの茶室では、柔らかくも凛とした時間が流れていたことでしょう。
昭和に入り、長らく空き家となった時期がありましたが、平成25年(2013年)、松賀屋から仁尾の町を活性化しようとする地域住民が中心となって「仁尾まちなみ創造協議会」を発足。さまざまな協議を経て、当法人の前身である「一般社団法人 誇」による管理運営が始まり、再びこの大きな家に息吹がふきこまれました。
現在の松賀屋は、規模の大きさから日々の清掃をはじめ、管理・運営は一筋縄ではいきません。傷んだ屋根瓦やはげ落ちた漆喰壁。修繕には時間と費用が見込まれ、多くの困難があります。
それでも、令和となった今も、松賀屋には明治・大正・昭和がそれほど遠い昔ではないような、ゆるやかな時間が流れています。わたしたち「一般社団法人 松賀屋」はこの地の風景の一部である松賀屋を守り、慈しみ、そして新たに生まれる松賀屋での時を、地域のみなさんと共に大切にしたいと考えています。
松賀屋
レンタルスペース貸出料金
100年以上もの時を刻んだ歴史ある建物で、昔ながらの暮らしを体験するワークショップなど、あなたの活動の場に松賀屋をご利用ください。
■3時間利用 ¥5,000(税別)
① 9:00~12:00
② 13:00~16:00
■6時間利用 ¥10,000(税別)
10:00~16:00の間の最長6時間
上記2プランから延長してご利用の場合、1時間毎2000円の追加にてご利用可能です。(6時間プランで追加する場合、17:00以降はご利用不可。)
まずはお問合せください。
松賀屋の運営方針や趣旨に反するもの、反社会勢力による利用や違法行為・勧誘・宗教活動(オカルトを含む)など、当法人の規定に則りご利用をお断りする場合がございます。詳しくはお問合せください。
瀬戸内の海辺の町、仁尾(にお)のあちこち巡り
夕日のきれいな町
町の西側に海を抱く仁尾町では、瀬戸内海に沈みゆく夕日の絶景ポイントが多くあります。街角から、父母ヶ浜や海辺の公園から、そして時には波間に漂いながら。人々は夕日を追いかけ、見つめています。
古い町並みがのこる町
中世には大きな社寺の荘園地となった仁尾。京の都とのつながり深く、近世には千石船が寄港し、多くの商家が軒を連ねた商業の町でした。今も仁尾の町には江戸~昭和の建物が多く残り、古い町並みめぐりや古民家ファンには鑑賞ポイントが豊富です。
みかんがたわわに実る町
仁尾は全国的にも高い日照時間を誇ります。太陽の恵みをいかし、みかんやレモンなど柑橘類の栽培がさかんです。「みかんの道(四国の道)」は仁尾周辺の山にめぐらされたハイキングコース。みかん畑越しに海が輝く様子は、瀬戸内らしい風景のひとつです。秋の収穫時期にはみかんの爽やかな香りを楽しみながら、散策できます。
伝統の祭りがある町
長い歴史を持つ仁尾には、古式のまま大切に守られている祭りが多く、中には一度途絶えても、復活をとげた祭りもあります。左の写真は唐に起源をもつといわれる、家の浦二頭獅子舞(県指定無形文化財)。その他夏の竜祭り、秋には巨大な太鼓台「ちょうさ」の奉納、賀茂神社の長床神事など、それぞれに地域の誇りが今も息づいています。